「地面反力って何?」
「地面反力が使えるとパンチ力が上がるの?」
「地面反力を使ったパンチの打ち方が知りたい」
あなたが普段生活しているときにも地面反力は使われています。
地面反力を理解し、うまく使えるようトレーニングすることでパフォーマンスを上げることができます。
元プロボクサーで少林寺拳法初段の僕が「地面反力を使ったパンチの打ち方」について解説します。
地面反力をうまく使えるようになるとより速く強いパンチが打てるようになります。
地面反力とは?
地面反力の前にニュートンの「作用反作用の法則」を説明します。
ざっくり言うと「物を押すと同じ力で押し返される」ということ。
例えばスケボーに乗って壁を押すと壁に押し返されてスケボーが動きますよね。
このとき、強い力で押せばスケボーも大きく動くし、弱い力で押せば少しだけ動きます。
この法則を地面に対して行なうのが地面反力です。
つまり強い力で地面を押せば同じだけの力を発揮ことができます。
なぜ地面反力を使うとパンチ力がアップするのか
いきなりですが今あなたは無重力空間にいるとします。
身体がフワフワ浮いた状態で強いパンチが打てますか?
どんなに頑張っても空回りしている自分の姿が想像できると思います。
それは地面反力が使えないからです。
無重力は極端な例でしたが地面反力を100%使えている人と60%しか使えていない人ではパンチ力に差が出ますよね。
つまり地面反力をうまく使えるとパンチ力をアップできます。
地面反力を使ったパンチの打ち方
最初に説明した「作用反作用の法則」に捕捉をします。
それは「押し返される力の向きは押した方向の真逆に働く」ということです。
先ほどのスケボーの例でいうと、壁をまっすぐ前に押したら後ろに動きます。
身体が上方向や横方向に動くことなんてあり得ませんよね。
でパンチを打つときの地面反力はどうしたらいいか。
パンチが当たる場所に向けて押す
地面反力は、以下の2つに分けられます。
- 鉛直方向の力(縦方向)
- 水平方向の力(横方向)
鉛直方向の力は自分の体重を支える加速度、水平方向の力は自分を前へ進ませる(またはブレーキをかける)加速度を生み出します。
パンチは身体の前へ向かって打つので、水平方向の力は非常に重要です。
ですが地面は身体の下にあるため100%水平方向へ力を加えることはできません。
そのため水平方向と鉛直方向のバランスが大切になります。
そしてパンチが当たる場所に向けて押すことで最大限の力を発揮できます。
膝と足首を伸ばしきらない
強いパンチを打つためにはできるだけ短い時間で地面を押すことが大事です。
なぜ短い時間で押したほうがいいのかと言うと、同じ力であれば押している時間が短いほど瞬間的に大きな力が発揮できるから。
膝と足首を伸ばしきってしまうと伸ばしている時間分、地面を押している時間が長くなってしまいます。
そうすると瞬間的に大きな力が出せません。
実際に陸上のトップスプリンターは地面との接地時間が短いため、膝や足首が固定されているように見えます。
できるだけ短い時間で地面を押すためには、筋肉を一瞬で硬くすること。
そうすると腱がバネのような働きをし膝と足首を伸ばしきらなくても地面に大きな力を伝えることができます。
地面反力を強くするトレーニング方法
地面反力を強くするには地面を瞬間的に強く押すトレーニングを行います。
有名なのはプライオメトリックトレーニングです。
色々なやり方がありますがここではドロップジャンプを紹介します。
やり方は簡単。
台から飛び降りてすぐにジャンプするだけ。
なるべく地面との接地時間を短く、高く跳ぶことを意識しましょう。
地面反力を使って強いパンチを打とう
この記事では地面反力を使ったパンチの打ち方を解説しました。
- 地面反力とは地面を押すと同じ力で逆向きに押し返される力のこと
- 地面を押した反発力がパンチ力を上げる
- パンチが当たる場所に向けて地面を押す(蹴る)
- 膝と足首は伸ばしきらない
地面反力は意識しなくてもみんな使ってます。
ですが改めて意識することで新たな発見や力になるはずです。
この記事を読んで「パンチが強くなった」「試合に勝った」など少しでもあなたの力になれたなら幸いです。
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